1. はじめに
建築基準法43条2項2号に基づく「但し書き道路」では、物件へのアクセスが通常の道路に接していないため、特例的に建築が許可されています。このような道路を通じて物件にアクセスする場合、他の所有者や隣地とのトラブルが発生することもあります。この記事では、43条但し書き道路で起こりうるトラブルや、円満に解決するための回避方法について解説します。
2. 43条但し書き道路(43条2項2号許可)とは?
43条但し書き道路の概要
43条但し書き道路とは、建築基準法43条に基づき、敷地が法定の道路(幅員4メートル以上の公道)に接していない土地に建物を建てるための特例的な許可制度です。これによって、一般的な建築基準に適合していない場所でも一定の条件下で建物が建てられます。
但し書き道路の種類
但し書き道路にはいくつかの種類があり、それぞれに異なる条件が付与されます。
- 43条2項1号許可:防火安全上の要件を満たすことで建築可能となる許可。一般的に、狭小地や山間部で使われることが多い。
- 43条2項2号許可:他の敷地にアクセスするための道路が一部他人の土地を通っている場合に建築が許可されるもの。許可を得るためには、自治体や周辺の所有者の同意が必要です。
但し書き道路の利用条件
43条2項2号の但し書き道路を利用するためには、自治体からの建築許可と周辺地権者からの通行許可が必要です。また、自治体が定める基準に従い、防火や緊急時の避難ルート確保などの条件も付加されることがあります。これにより、居住者の安全が確保されつつ、隣地所有者との調整が必要な状況が生まれやすくなります。
3. 43条但し書き道路で起こりやすいトラブル
1. 通行権や使用権に関するトラブル
但し書き道路を通じて敷地にアクセスする場合、隣地所有者との間で通行権の範囲や制限についてのトラブルが発生することがあります。特に、通行権が法的に認められていない場合、隣地所有者が通行に難色を示し、話し合いが難航することもあります。これは、通行地役権が設定されていない場合に多く見られるトラブルです。
2. 道路の管理・維持費用に関するトラブル
但し書き道路を共有している場合、管理や維持に関する費用分担をめぐって隣地所有者とトラブルになることがあります。特に、道路の補修やメンテナンス費用については事前の合意がないと揉めやすいです。さらに、豪雨などで道路が損傷した場合に補修責任が曖昧であることがトラブルの原因になることもあります。
3. 建て替えやリフォームの際の許可問題
43条但し書き道路を通じて物件にアクセスしている場合、建て替えやリフォームを行う際に再度隣地所有者の許可が必要になることがあります。これは、建て替えによって敷地の利用状況が変わる場合に、隣地所有者が通行権や使用許可を再確認したり、使用条件を変更する要求を出してくるケースがあるためです。
4. 車の駐車や侵入に関するトラブル
但し書き道路が狭小な場合、駐車の際に隣地所有者の敷地に侵入してしまうケースがあり、これがトラブルに発展することもあります。特に、車両の通行や駐車スペースが限られている場合は、駐車スペースがあるか、許可されているかの確認が必要です。
4. トラブルを回避するための対策
1. 隣地所有者と事前に合意を取り交わす
但し書き道路を使用する場合、隣地所有者と通行権や使用に関する合意書を事前に取り交わすことが重要です。合意書には、通行の範囲、使用料の有無、費用負担の取り決めなど、今後のトラブルを防ぐための詳細を盛り込むと安心です。
2. 地役権の設定と登記
但し書き道路の通行権や使用権を明確にするために、地役権の設定を行い、登記をすることで、権利関係が明確になります。地役権を設定することで、将来にわたり隣地所有者とのトラブルを避けやすくなります。地役権設定には法的手続きが必要であり、司法書士や専門家の支援を受けるとスムーズです。
3. 定期的なコミュニケーションと関係構築
隣地所有者との関係は、道路使用において重要な要素です。定期的なコミュニケーションをとり、関係性を良好に保つことで、道路に関する問題やトラブルの発生を未然に防ぐことができます。例えば、道路の清掃や補修の協力を持ちかけることで、相互に信頼関係を築くことが効果的です。
4. 専門家のサポートを受ける
43条但し書き道路に関する問題は法的な手続きや調整が必要なことが多いため、弁護士や不動産の専門家に相談することが重要です。特に、トラブルが発生した場合は、専門家が仲介に入ることでスムーズな解決を図ることができます。
5. 揉め事の解決策
1. 第三者による仲介を利用する
隣地所有者とのトラブルが解決しない場合、第三者を介入させることで冷静な話し合いが可能になります。弁護士や地域の調停機関などを利用し、当事者同士での解決が難しい場合には第三者のサポートを検討しましょう。
2. 自治体に相談する
43条但し書き道路に関する問題は、自治体も関与する場合が多いため、地元の建築課や地域の相談窓口に問い合わせることも有効です。特に、法令や許可に関する問題については、自治体の担当者からのアドバイスをもとに、解決策を探ることができます。
6. まとめ
43条但し書き道路を使用する際には、隣地所有者との関係や権利を明確にすることが重要です。通行権や使用権についての合意や、地役権の設定を行うことで、将来のトラブルを避けられる可能性が高まります。また、専門家のアドバイスを活用しながら、安心して物件を管理・使用できる環境を整えることが大切です。












