残置物付きの不動産を引き渡した後、偶然にも多額の現金が発見されるケースは稀ですが、実際に起こり得る問題です。このような場合、誰がその現金の所有権を持つのか、そしてどのような対応をすべきかを知っておくことが大切です。この記事では、残置物の中から現金が見つかった際の対応や、法的な扱いについて解説します。
1. 現金発見時の法的な扱い
① 所有権は誰にあるのか?
引き渡された物件から多額の現金が見つかった場合、その現金の所有権は基本的に元の所有者、つまり前の住民にあると考えられます。残置物として現金が見つかった場合でも、新たな所有者がその現金を自分のものとすることはできません。
② 現金は「拾得物」として扱われる
残置物の中に現金が含まれている場合、その現金は法律的には「拾得物」として扱われる可能性があります。この場合、現金を発見した者は警察に届け出る義務があります。届け出を怠ると、法律違反になることもあるため、必ず正しい手続きを行うことが求められます。
③ 届け出後の流れ
現金を警察に届けた場合、一定の期間(通常は3ヶ月)が経過しても元の所有者が現れなければ、拾得者がその現金を受け取る権利が生じます。ただし、元の所有者が判明した場合、その現金は当然元の所有者に返還されます。
2. 売主・買主の対応策
① 売主の責任
引き渡し後に残置物として現金が見つかった場合、売主にはその残置物を取り扱う責任があります。売却契約時に残置物に関する取り決めが明確でない場合、トラブルが発生することがあるため、契約時に残置物の処理について詳細に合意しておくことが重要です。
- 例:残置物の所有権は売主が放棄したとみなすのか、売主に連絡する必要があるのかなどを契約で明確にする。
② 買主の対応
買主が残置物の中に現金を発見した場合、すぐに警察に届け出ることが推奨されます。勝手に現金を使用したり、自分のものにすると、後で大きなトラブルに発展する可能性があります。
3. 残置物契約時の注意点
① 残置物の取り扱いを明記する
売買契約時に残置物について取り決めを行い、契約書に明記しておくことがトラブルを防ぐポイントです。特に、残置物に含まれる可能性のある貴重品や現金については、契約に具体的に盛り込むことが重要です。
② 買取業者や専門家に依頼する
残置物の処理が難しい場合、専門の業者に依頼することで、スムーズに進めることができます。また、不動産業者や弁護士に相談することで、法的な手続きや権利関係を正しく理解し、問題を未然に防ぐことができます。
4. トラブルを避けるための具体策
① 残置物の事前チェック
物件の引き渡し前に、残置物がどのような状態かを売主と買主で一緒に確認することが大切です。特に、家の中に残された金品や貴重品については、必ず売主に確認を求めましょう。
② 契約書に記載しておく内容
契約書には「残置物は売主がすべて撤去する」または「残置物があった場合、売主に連絡し、指示を仰ぐ」という条項を盛り込んでおくことで、後のトラブルを回避することができます。また、現金や貴重品が発見された場合の対処方法も明記しておくと安心です。
まとめ
残置物付き物件で多額の現金が見つかった場合、その所有権や取り扱いに関する法的な問題が発生する可能性があります。売主と買主の間で事前に取り決めを行い、契約に明記しておくことがトラブルを防ぐポイントです。万が一現金が見つかった場合は、すぐに警察に届け出て、適切な手続きを行いましょう。









